日本は労働生産性が諸外国に比べて低く、2017年度のOECDの調査結果でも労働生産性は35ヶ国中20位、主要先進国の7ヶ国の中では最下位となっています。
労働生産性が低いにも関わらず高いGDPを維持できたのは労働力人口の多さと、残業などによる労働時間の長さが影響しています。
つまり多くの労働者がたくさん働くことで経済力を高めてきたのです。
しかし少子化と高齢化が進む日本では、労働力人口の大幅な減少が予想されるので、労働力人口が減る中で経済力を維持するには生産性の向上が不可欠となります。
そんな労働生産性を向上させる為に重要なのが、まず残業をしないこと。残業を無くすために必要なのは仕事の優先順位をつけることです。
残業をしないということは就業時間内に仕事を終わらせることを意味します。その為には8時間で完了できる作業を洗い出し、それに優先順位をつけることが必要です。
また、仕事における優先順位といった効率的な解決案だけでなく、一人ひとりのモチベーションを上げるという点でも考慮すべき部分があるように思います。
毎日残業ばかりして、いつも1日の終わりが見えないような日々を送っていては、タスクの効率性が上がるはずはありません。さらに、常に働き詰めで休む暇もないようでは、仕事をする目的も失われてしまいます。
ただひたすら働くだけの人生を送る日本人がどんどん増えていってしまっては、国全体の士気が落ちてしまうのは当然のことです。「働き方改革」という新たな取り組みがはじまっている今、仕事に人生を失われてしまうようなおかしな社会を正す時がきているといえます。
日本のおかしな働き方を改善するには、労働者のみんながおかしいことを「おかしい」とハッキリ声にしていくことが大切です。
仕事も生活も充実できるような、健康的な働き方が実現すれば、滞った労働生産性にも変化が見えてくるのではないでしょうか。
実際、仕事をこなしている人たちは、上手にリフレッシュをしている人だと言っても過言ではありません。仕事ができる人ほどプライベートを楽しみ、さらにモチベーションが高く、仕事を終わらせるのが早い傾向にあるのです。
この実情からみても、みんながスムーズに仕事をこなせるようにするには、仕事とプライベートのメリハリをつけやすい社会をつくることがなにより重要なのです。